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ある知り合いのお姉さんは、看護師である。
この人のダンナさんは勤務先の元入院患者で、
入院中に知り合って結婚したそうだ。
こういうことはよくある話らしいが、
知り合った経緯が傑作だった。

ダンナさんは内臓の病気で入院していたが、
家族は医師から、彼が生命の峠にあり、
それも悪い方に傾いていることを聞かされていた。
このことは当時、本人には知らされていない。

自分の背後で死神が手ぐすねを引いていることを知らぬまま、
当の本人、その日に担当で回ってきた看護士だった今の奥さんに、
非常にカル〜い気持ちで電話番号を聞いた。
わりとナンパ気分だったらしい。
奥さんはその患者さんが別に好みではなかったので、
最初は断ったそうだが、聞かれるうちに、
「ああ、そう言えばこの人はお迎えが近いんだっけ・・・」
と思い出し、ついに仏ごころで、
冥土の土産とばかりに番号を教えたらしい。

それから後の展開は皆様の予想通り、
スケベ心に火がついたダンナはみるみる回復。
奥さんは電話番号を教えたことを後悔したが後の祭り。

その後紆余曲折を起こす間も無く、
すっかりいろんな意味で元気になってしまったダンナの力業で、
二人は夫婦になったそうな。

希望が生命を燃やす。
スケベ心という希望が。

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景気がイマイチ盛り返しきれないこの世相の中でも、
客集めに知恵を絞り、あの手この手を繰り出すのが商売人の性だと思うのだが、
今宵はその真骨頂を見せつけられた。

大学の同級生だった友達が東京から出張してくるというので、
福岡在住の友達と春吉近辺で飲みになり、大阪出張の帰りに合流。
2件目の西鉄イン最上階のバーで軽く飲んだ後、
一人が飯ごう雑炊の店に行こうと言い出したので、
中洲の街中を縦断して店に向かう。

福岡・中洲は日本でも有数の歓楽街。
特に男性にとっては、札幌・ススキノと並ぶ2代性地である。
男連中で道を歩けば、キャバクラだか風俗だかまるで判別がつかないが、
とにかく客引きの嵐にさらされる。
声をかけられなかったのは、俺が坊主にスーツだった一時期だけだ。
多分、あの当時は同業者と思われてたんだろう。

そんな中洲だが、最近は活気も今一つ昔に及ばない。
当然、客引き合戦も過熱するが、当然客の反応も渋い。
我々も幾度となく声をかけられるが、軽くあしらって先を進む。
そんな中、一人の兄ちゃんがさりげなく俺に近づき一言。

「エロっしゃいませ。」

いかん。シンプルながらおもろすぎる。
思わずツボに入られてしまったが、
ここで笑うと負けを認めたことになるので、

必死に笑いをかみ殺す。
笑ってしまえば、ボッタクリとわかっていても、
店に入るのを断れない気がするのだ。

さらに足を進めると、新手の兄さんが声をかけてきた。

「モミ残しはございませんか?」

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